不動産が遺産に含まれている場合はなるべく早く相続登記をして名義変更をしておいた方がよいです。
なぜ相続登記をした方がよいかですが、例えば次のようなケースをみて下さい。
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亡くなられた方(ご主人)
相続人は奥様、奥様との間にお子様がいなく、ご両親も他界しているため、ご主人の兄弟Aさんの2名だったとします。
ご主人が遺された財産は、ご主人が働き、奥様が支えて建てた長年住んでいるご自宅のみ。
兄弟のAさんはその事情をよくわかっているので、「家は当然、奥様が相続して下さい。お二人で築いた財産ですから。」と言ってくれています。
Aさんとも仲がよいので、面倒な相続登記など必要ないと思っていたところ、突然Aさんが亡くなってしまいました。Aさんにはお子様Bさんがいます。BさんはAさんから事情を聞いているだろうから安心だと思っていたら、「父Aがなんて言ってたか知らないけど、法定相続分は下さいね!」と言われてしまいました。
この場合は、Aさんが「家は奥様が相続する」という内容の遺産分割協議書を作っていない限り、奥様が家を奥様一人の名義に変更することは簡単にはいかないでしょう。
代わりにお金を支払うか、Bさんと共有名義に変更するか、Aさんが遺産分割協議で譲ってくれたと主張するか、どのようなやり方でも、うまくまとまらなければ調停や裁判ということになってしまうかもしれません。
こういったトラブルを防ぐにはなるべく早めの相続登記が大切です。時間が経てば経つほど、亡くなられた方の想いを知っている人が減っていきます。相続人の方々の心変わりもあるかもしれません。面倒だと思うかもしれませんが、時間が経てばもっと複雑で面倒になります。トラブルを後の代に引き継がせないように相続登記をして下さい。
では、不動産の名義変更の相続登記の簡単な流れをご説明します。
①相続する不動産の確定
固定資産税納税通知書、評価証明書、名寄帳、共同担保目録、公図、権利証などから、相続登記の対象不動産を確定します。
②相続人の確定
戸籍等を取得して相続人を確定します。
③遺産分割協議
相続人全員の同意で遺産分割協議書に署名と実印で押印します。
④登記申請
法務局に登記申請します。
⑤登記完了
各法務局によりますが、だいたい10日前後で登記が完了して、不動産を相続した方の名義に変更されてます。