相続が発生して相続人が確定と並んで大切なことは、相続財産の調査です。
相続財産にプラスの財産はあるのか、マイナスの財産があるのか、プラスとマイナスの財産があった場合には、最終的に相続財産がプラスになるのかを判断しなくてはなりません。
相続財産は通常はご家族がご存じかと思います。
しかし、本当にご存じの相続財産だけで全てでしょうか。
ここでは、相続財産の調査の方法と流れについて簡単に説明致します。
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相続財産の調査の方法と流れ
・ご自宅の中を調査する。
まずやって貰いたいことは、亡くなられた方のご自宅を調べることです。
大事なものを入れているタンスや棚の引き出し、ベッドの横、金庫をお持ちであれば金庫の中、意外なところでは押し入れの布団の下、本棚のアルバム、日記帳などに相続財産の手がかりがあることもあります。
現金や通帳が見つかればわかりやすいですが、ハガキや封筒などの郵送物にも注意して下さい。銀行口座や証券の存在がわかる可能性があります。
また、貸金庫やトランクボックスのカギやカードがみつかることもありますので大事に保管して下さい。
・不動産を調査する。
不動産であれば、原則的には固定資産税がかかるため、不動産所在地の役所から通知がきます。だいたい年度の変わる4月から6月くらいにご自宅に役所から郵送されてきます。
この通知書はあくまで固定資産税を請求してくる根拠として不動産が書いてあるだけなので、固定資産税のかからない土地や建物は通知がこないことも珍しくありません。ですが、主な不動産はこれで特定できます。
では、固定資産税のかからない不動産はどのように調査すればよいのでしょうか。
都税事務所で名寄帳、法務局で公図、共同担保目録付き登記事項証明書を取得することで不動産が判明することもあります。その他には権利証があれば権利証に書いてあります。
・金融機関で調査する。
銀行、証券会社などの金融財産であれば、通常はなんらかのハガキまたは封筒で取引内容等の連絡があります。その場合には郵送物を送ってくれた金融機関の支店に全店照会をかけることで口座を持っているかどうかがわかります。口座があった場合には残高証明書を交付して貰って下さい。
・生命保険の調査
生命保険に加入している場合は、保険証券を見ていただくか、あるいは保険内容の確認の封筒が届いている場合にはそこに契約の内容が書いてあります。
相続財産に含まれない場合が多いのですが、解約返戻金が相続財産になることもありますので調査してみて下さい。何かしらの書類があれば保険会社はスムーズに照会してくれるので問い合わせて契約内容を確認してください。
・負債の調査
未払いの医療費や施設利用料など、わかるものは病院や施設に確認します。わからないものでも支払いがなければ請求書が郵送されてくることがほとんどですので、ハガキか封筒が届くのを待ちましょう。
しかし、個人で借りた借用書などが見つかった場合には本当に借りたものなのか、時効期間が経過しているのかを検討する必要があります。間違った判断をしてしまうと時効が認められなくなってしまうこともあるので、専門家である司法書士に相談して下さい。