令和元年9月29日のYahoo!ニュースに「長嶋一茂 父・茂雄さんの遺産「放棄してる」と明かす」という記事が掲載されていました。
ここで一つ疑問なのは、まだ茂雄さんはご存命なのに、相続放棄が出来るのだろうか?という点です。
相続放棄は、民法915条に記載されています。
一応、条文を見てみると、「相続人は自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に...放棄をしなくてはならない。」
とあるので、相続の開始を知った時、つまり早くても亡くなるまでは相続放棄は出来ないというのが、民法上のお話です。
では、一茂さんは、なぜ「放棄してる」と言ったのでしょうか。
これは、おそらく親族の間で、「茂雄さんの遺産は受け取らない」、言い換えると「亡くなった後に、遺産を受け取らないという遺産分割協議を行う」と宣言したのだと思います。
じゃあ、結局、亡くなる前に相続放棄したことと一緒じゃん!って思いませんでしたか?
実は、民法上の相続放棄と、この「亡くなった後に、遺産を受け取らないという遺産分割協議を行う」と宣言とは全然違うものなのです。
例えば、亡くなる前に遺産は受け取らないと宣言していたとしても、いざ相続が開始したときに「やっぱり法定相続分は請求するよ」と言っても何の問題もないのです。(もちろん一茂さんがそんなことを言い出すとは思いませんが。)
そうなってしまうと、結局、亡くなる前に遺産を受け取らなくする手続きって存在しないのかぁ。と思いますよね?
実は一つ方法があります。
それは、ちょっと長くなってしまったので、また次回に書きますね。
江戸川区で遺言・相続手続き、相続放棄は司法書士福地事務所 代表 福地良章

はじめまして。司法書士の福地です。
1973年、千葉県市川市の公園や空き地が遊び場だった住宅街で育ちました。毎日走り回っていた子供時代を過ごしました。
大学卒業後、就職氷河期に食品機械メーカーの営業職を経験。お客様と深く関わりたいという想いから、接客業である飲食店の店員に転職し、大きなやりがいを感じていました。その後、「相続」という出来事が私の人生を大きく変えることに。祖母の相続で親族間が揉め、裁判にまで発展した苦い経験から、「当たり前の日常が、相続で壊れてしまうようなことは起きてほしくほしくない」という強い想いを抱き、司法書士を目指すことを決意しました。千葉司法書士会の会長を務められた先生のもとで14年半修行し、特に500件以上の相続案件に携わらせていただきました。この経験から、「やはりお客様の声を直接伺い、寄り添って仕事をするのが私の天職だ」と確信。2019年(令和元年)に独立・開業しました。家族(妻、長男9歳、次男4歳)とのパン・スイーツの食べ歩きが何よりの楽しみです。東京東側や千葉エリアの隠れた名店を探すのが得意です。「あの時の私のような思いをする人を減らしたい」という強い原体験を胸に、お客様の想いを汲み取ったサポートをお約束します。

